北前船主の館 右近家

北前船主の館 右近家

北前船主の館 右近家

右近家が海運業を生業にし始めたのは17世紀後期頃。
 代々河野に住んでいた右近家は、菩提寺である金相寺から土地、屋敷、船1艘などを譲り受け独立し、右近権左衛門家を起こしました。
 7代目、8代目権左衛門の頃に各地で買い入れた商品を売り買いしながら利益を出す「買い積み」商いに進出します。船主自らの船での商いには常に危険との隣り合わせで、商品の価格変動による損益や、海難により船や積荷を損失することもありました。まさに荒波にもまれながらも右近家は逞しく時代を生き抜き、9代目権左衛門の時代には商いを大きく発展させました。幕末に需要が拡大した鰊肥の賞品価格の地域差を利用し、利益を急増させます。従来から右近家が所有していた持船は2・3艘でしたが、メインシップの「八幡丸」など11艘を所有するまでになります。年間の利益は1万2千両(現在の価格で約12億円)にも達し、日本海五大船主の一つに数えられました。
 10代目権左衛門の時代になると廻船の数が17艘にまで増え、積石数の合計は18,000石を超え大船団となりました。しかしながら明治時代中期から、北前船による廻船業は、鉄道の発展などにより衰退が進みます。そこで10代目はいち早く西洋型帆船や蒸気船を導入し、海運の近代化を進めるとともに事業の転換を図り海上保険事業へ進出。日本火災海上保険株式会社(現在の損害保険ジャパン株式会社の前身)を設立するなどしてその後も活躍しました。

北前船主の館 右近家のカタログ

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右近家住宅

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大金持ちの夢を抱いた多くの船乗りが、チャンスをつかむために大海原へ繰り出しました。全盛期には、1往復するだけで千両もの利益を得られたといわれています。今なら約1億円の利益だったようです。
 平成29年、北前船に関する南越前町を含む11市町で共同申請していた「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落~」が日本遺産に認定されました。南越前町河野の日本遺産に認定されたストーリーを構成する構成文化財は、北前船主の館右近家住宅や旧右近家住宅西洋館、中村家住宅などが対象となっています。
 「荒波を越えた男たちが、動く総合商社として巨万の富を生み、各地に繁栄をもたらした。」
 北前船の寄港地・船主集落というストーリーは、時を重ねて彩られた異空間として今も人々を魅了し続けています。

西洋館

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本宅背後の高台に国の登録有形文化財に登録されている2階建の別荘「旧右近家住宅西洋館」があります。1階の外観は地中海スパニッシュ様式、2階はスイスの山小屋をイメージして建てられています。内部は暖炉周りの色タイルや窓のステンドグラスなど随所にモダンな趣向を凝らしています。
 昭和時代初期に11代目権左衛門が建てたもので、昭和の大恐慌の時に働き先を失った地域の人を雇用するために建てられた「お助け普請」だったといわれています。右近家が世代を経ても地域貢献と、人と人との繋がりを大切にする精神は脈々と受け継がれていることが知れますね。

店舗情報

店舗名 北前船主の館 右近家
住所 915-1111
南条郡南越前町河野2-15
電話番号 0778-48-2196
FAX番号 0778-48-2195
メールアドレス kanmachi@town.minamiechizen.lg.jp
ホームページ https://www.minamiechizen.com/feature/17800/
定休日 毎週水曜日、年末・年始(12月29日~1月3日)
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